2019.08.01更新

梅雨明けと同時に、一気に夏の気温になりましたね。これからの季節、気温の上昇にともない気を付けたいのが食中毒です。食中毒予防の三原則は、「菌を付けない」「増やさない」「やっつける」だそうです。前回のブログでは感染対策の基本「手洗いの重要性」について書きましたが、食中毒や夏の感染症予防においても手洗いは重要です。

今回は、感染対策の一つの「環境衛生」について書こうと思います。
現在、歯科治療に使用する器材を洗浄・消毒・滅菌していない歯科医院はないと思います。

しかし、手を介して汚染を広げてしまっているのが現状です。

そこで、次の3つの視点で「環境衛生」について考えたいと思います

①患者
②経営者
③スタッフ

*☆☆10年経ってもキレイな診療室のつくり方☆☆*

①まずは患者さんの視点で考えてみましょう。
==患者さんは診療室のどこを見ている?==
患者さんになったつもりで診療チェアーに座り、診療室を見回してみて下さい。まず目に入るところは、スピットン(うがいをするところ)やその周り、ブラケットテーブルや、その上に置かれた器具や器材、ライト、手鏡、掲示物、壁、窓などです。
ここが汚れていた場合、清潔で衛生的な歯科医院だとは思いませんよね。

②次に経営者の視点で考えると、歯科医療機材はどれも高価です。せっかく購入した機材を大切にキレイな状態で長持ちさせたいですよね。

③そしてそれを管理するスタッフは、より簡単で手間のかからない方法でキレイを持続させたいと思っています。

そこで、日頃私が心がけている、たった10秒でできる環境衛生の習慣についてお伝えします。

===たった10秒の習慣=====
まず、キレイを保つ前提として最初にすることがあります。
それは「整理整頓」です。ここでいう整理整頓とは「不要な物を片付ける」だけではなく「物を置かない」こと、そして「出したら元の場所に戻す」ということです。物が、あればあるほど清掃に手間がかかります。物を置かないことは清掃の手間を省く第一歩なのです。
13時 

 

 

★スピットン周りの清掃(10秒)
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<チェアーとスピットンとの間もピカピカ>
うがいの度に水滴が周りに飛び散るスピットンは、血液や染色液の混ざった水で汚染されるところです。患者ごとの清掃が必要で、使用後はよく水を流します。見落としやすいのが、チェアーとスピットンの間です。汚れが付着していないか毎回必ずチェックして汚れていたら、すぐに拭き取ります。次にスピットンの周囲から順にスピットン内まで除菌シートで拭き上げます。
 

★ ブラケットテーブル(5秒)
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ブラケットテーブル上は基本的に何も置きません。汚染を受けやすい場所であるため、治療に使用する器物との接触を最小限にして交差感染を防ぐためです。
ここも患者ごとに湿式清掃を行います。


★ライト(5秒)
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血液などで汚染された手が触れるのがライトのハンドル部分です。私の場合、汚染された指先が触れないように操作するので、血液などの汚染物が付着することはほとんどありません。患者ごとに清式をしますが、バリアシールを患者ごとに貼り替える方法もあります。


★ ライトのカバー(1~2週間に1度 10秒)
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ライトのカバーは飛沫物やホコリがたまるところです。1週間に一度は外して洗浄します。
昼休憩前に外し、サッと中性洗剤で洗ってからよくすすぎます。あとは軽く拭いて台の上に置いておけば、休憩後には乾いているので元に戻して完了です。


★ ホース類・フットペダル(診療後10秒)
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床と接するホース類は意外と汚れています。これも1日1回は湿式清掃をします。こちらも10秒もあれば完了するので診療後の片付けの時に拭き上げます。ついでにフットペダルもサッと拭けばいつもキレイな状態を保つことができます。
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<フットペダルもキレイ>

この他にも、アームやモニターも1日1回はファイバークロスで拭きます。床や壁のちょっとした汚れに気付いた時は、すぐに拭き取るようにしています。
どれも、ほとんど時間をかけずに行っています。

最後に、短時間でできる環境衛生と、いつまでもキレイな状態を保つポイントをまとめると
①物を置かないこと
②不衛生な手を介して汚染を広げないよう意識付けること
③1日の中で分割して短時間の環境衛生を取り入れること

このようにすることで、10年経っても新品同様の状態を保つことができるのです。

投稿者: 一般社団法人Jokanスクール

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