私は29年間、歯科衛生士を続けています。
今日は歯科衛生士という資格についてのお話をしたいと思います。
「歯科衛生士」は私にとっては、当たり前の職業です。しかし日本では歯科衛生士という職業は、何をする職業なのか一般の人にあまり知られていないようなのです。
歯科衛生士になるためには、専門の学校に3年間(大学の場合は4年間)通い、国家試験を受けて資格を取得する必要があります。
『歯周治療をしているところ』
歯科医療や歯科予防の専門職であり、口腔衛生の専門家です。
しかし一般の人からは「歯科医院にいる看護師さん」「歯科医の横にいるアシスタントの人」「歯科医院のお姉さん」そんな言葉で表現されることも多いのではないでしょうか。
これではいったい何のための資格なのでしょう。
せっかく取得しても、これでは資格の意味を持っていないのではないでしょうか。
ではなぜ、歯科衛生士は一般的に知られていなのでしょうか?
その理由は2つあると私は考えます。
(理由①)歯科医療機関が患者さんに、歯科衛生士という歯科医療や歯科予防の専門職があることを伝えていないから。
(理由②)患者さんから見て、歯科衛生士に専門職としての重要性を理解されていないから。
この2つの理由ではないでしょうか。
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(理由①)歯科医療機関が患者さんに、歯科衛生士という
歯科医療や歯科予防の専門職があることを伝えていないことについて
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1つ目の理由である歯科衛生士は専門職であることを一般の人に伝えるためには、
・院内の掲示物・HPで紹介する。
・歯科医師から、国家資格を持った口腔衛生の専門家であることを直接患者に説明する。
・歯科衛生士自身が、初めて患者さんを担当するときには「本日、〇〇さん(患者さんの名前)を担当します“歯科衛生士の〇〇です”」と、自己紹介すること。
この3つが重要です。
『笑顔で挨拶・自己紹介をしているところ』
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(理由②)患者さんから見て、歯科衛生士に専門職としての
重要性を理解されていないことについて
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患者さんが歯科衛生士に専門職として重要性が理解されていない理由は
以下の3つに分類されると思います。
(1)歯科衛生士自身が専門の医療職だという意識が薄い。
医療職としての意識の一つに、身だしなみがあります。清潔感はもちろん医療を提供するにふさわしく身だしなみを整えることが大切です。歯科衛生士の中には身だしなみの意識が低い人がいる現実があります。
(2)専門用語を使って説明していない。
ポイントは専門用語を使って説明すること。
一見すると専門用語を使わないほうが分かりやすく親切だと思うかもしれませんが、患者さん自身は様々な情報や知識をある程度持つ時代になっています。
専門職である私たちは専門用語を使い、それを患者さんに分かりやすく訳しながら伝えていくのが重要です。そうすることで、患者さんに専門性が伝わります。
『専門用語を分かりやすく訳しながら説明』
(3)日々進化する新しい専門知識や技術を学び続けていない。
資格を取得した後にも勉強を続け、専門的な新しい知識や技術を身に付け続けることが重要です。それを怠っていると、古い知識や未熟な技術のまま、年齢を重ねただけの歯科衛生士になってしまうのです。
『專門知識を学び続ける受講生たち』
以上のように、資格を本物の価値として提供できる歯科衛生士が増えることで、患者さんの歯科衛生士に対する認識も変わるはずなのです。
先日、日本歯周病学会に参加してきました。沢山の歯科医師や歯科衛生士が勉強をされていました。改めて私自身も歯科衛生士としての意識をもっと高めなければという気持ちになりました。自戒を込めて今回の記事を書かせていただきました。