講師Blog:『新しい道が開ける人』(中村 和恵)
2020.03.15更新
春の訪れ。新たな旅立ちの季節ですね。
人生の中で、どちらに進むべきか、悩む時がありますよね。
今のまま進むか、別の道を進むか。このような分岐点に立ったとき、どのように進む道を決めていますか?
私も歯科衛生士を30年続ける中で、いくつかの分岐点に立った経験があります。
そこで今日は、私たちが将来、後悔しない人生を歩むために知っておくべきこと、について書きたいと思います。
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出会いと言葉が道しるべ
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私の住んでいる町は、新幹線の最寄り駅まで片道1時間半、飛行場までも2時間かかり、決して利便性が良い訳ではありません。
どこに行くにも「距離」 「時間」 「お金」という3つの壁がついてまわります。
そんな場所に住んでいるのですが、これがしたいというものがあれば、日本に留まらずひょいっと飛んでいきます。
でも、昔から行動力があった訳ではないのです。
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半径50メートルの世界で生きていた頃
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約20年間勤務していた職場は、自宅から道路を渡った向かい側にありました。
すぐそばには夕食の食材を買うにも事足りる小さな商店もあります。
1日のほとんどが仕事と子育てをしていた20代から30代の頃は、半径50メートルの小さな世界で私は生きていました。
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「心の扉を開いて」
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そんな私に運命の出会いが訪れます。
Jokanスクールとの出会いです。ことの始まりは「心の扉を開いて」という切り抜いたエッセイでした。
20代後半に出会ったこのエッセイ。
10年間、ずっと本棚の奥にしまってありました。
30代後半のある日、ふとした時に偶然手に取ったことがきっかけで、Jokanスクールを受講することになりました。
受講するクラスは18:00~21:00。自宅に戻るのは日付が替わった真夜中です。子供たちは少し大きくなり手がかからなくなっていましたが、家を空けることになる。
しかし「でも、行きたい!」という強い衝動が私の背中を押しました。環境のせいにしてやらない理由を探すのではなく、やれる理由を探そう。
そのように考え、1歩を踏み出した瞬間でした。
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「トントン、と自分でドアを叩くと、ドアは開かれる」
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指導者養成コース生だった頃に掛けてもらった言葉です。ドアの前に立っているだけではドアは開かない。
ドアを自分でたたくことが大切。
そうすればドアが開き、道が開かれる。
何事も自分で動くこと、進むことが大事だと、教えていただきました。
私の背中を押してくれた言葉です。
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「色々な経験をすること」
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念願だったスウェーデンへの研修に参加した時のこと。研修で出会った人達と毎日、早朝の街をウォーキングしました。
そのときの会話の中に出てきた「人間力」という言葉があります。そこで、ある先生に「人間力を養うってどういうことですか?」と尋ねてみました。
すると、少し間をおいて、その先生からは
「・・・色々な経験をすること」という言葉が返ってきました。その“少しの間”と面持ちから、「苦しいことや、辛いこと」を意味するものなのだと、私は解釈しました。その言葉はやがて、辛い時期に、私を救い、乗り越える力になりました。
沢山の人や、学びに出会えたことが、人生の方向を決める上で重要な道標になるのです。
半径50メートルの世界から飛び出してわかったことは、人や言葉に出会うことで人は変わるということです。
「新しい道を開く人」とは、人や環境のせいにせず自ら動いた人のことを言います。そして苦しい時や辛いことを乗り越えてきた人です。
さらに出会ったその人たちに共通していることは、人のために動いているということでした。
私にとってJokanスクールでの10年間は、大好きな人達と、細い糸を紡いだ10年だったように思います。
最後にひと言。
「講師ブログを書かせてもらえませんか?誰かのもとに届け 」
と、言葉を紡いだ講師ブログも、私の投稿は今回で最後になりました。
私の考えや経験を伝える機会をいただいたことに感謝いたします。
2019年度生も、4月12日に修了式を迎えます。
人や環境のせいにせず、前に進んで欲しいと思います。
損か得かではなく、自分の気持ちに正直に従ってください。
やりたいと思ったことは、多少の無理をしてでもした方がいいです。
自分自身も、改めてこの思いを胸に、前に進みます。
最後までお読み下さった皆さま、ありがとうございました。
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