皆さま、こんにちは。講師の中村和恵です。以前、受講生達が目を輝かせながら講義を受ける様子「優れた歯科衛生士が、なぜ全国から集まるのか?」というブログ記事を紹介しました。
その中で、「自分に向き合う厳しさの中で心が育っていく」というお話をしました。
では、具体的にどのような事を通して心が育っていくのでしょうか?本日は、Jokanスクールでしか学べない、人間力を備えた「品格ある歯科衛生士」へと育っていく3つ過程について、私の体験の中からお伝えしようと思います。
~ベーシックコースでの心の成長~
その①『共に学ぶ仲間の存在』
全国様々な医院で働く歯科衛生士と1年間共に学ぶという経験は、受講生同士多くの刺激や気付きを与え合います。一つの医院の中にいたのでは得られにくい、自分の考え方や行動を見直すきっかけが、Jokanスクールの研修の中には沢山あるのです。
例えば、「○○なのは、院長や周りの人、環境のせい」自分には原因がないという考え方。本当にそうなのでしょうか?不満だと思うことに対し、自分自身で何かアクションを起こしたのでしょうか?何も起こさないで周りのせいにしている人が、残念ながら実に多いのです。
そう言いながら、私自身もまさしく「○○なのは環境のせい」と思っていたひとりでした。その考えや行動を見直すきっかけとなったのは歯科衛生士歴2年の同期の受講生の存在でした。彼女は症例用の口腔内写真を規格通りに仕上げ、2年目でこんなに上手に撮れるものかと私は驚きました。そして彼女は医院で何度も繰り返し練習をして綺麗に撮れるようになったということを知りました。当時、私は口腔内写真も撮り始めたばかりで、お世辞にも規格通りとは言えないレベルでした。口腔内写真用のカメラは用意されていましたが、練習にすら取組んでいなかった自分にハッとしました。出来ないことは環境のせいだけではない。自分が取り組んでいなかっただけだということに、その時恥ずかしながら気付かされたのです。
練習を繰り返し、撮れるようになった口腔内写真
その②『上間トークでの学び』
毎月の研修カリキュラムに、上間校長による「上間トーク」という時間があります。本や新聞記事を題材にしたものや、上間校長自身の体験談を用いてお話をされます。それについて自分自身を振り返り、感じたことなどをレポートにするのです。私の受講時には「教えることは 教えられること」「人間関係の基本は夫婦」という題材がありました。私自身は子どもを育てる中で子供から教わったことを思い出し、改めて大切なことに気付かされ、それをレポートに記しました。上間トークは、受講生に新たな視点や気付きを与えているのです。
上間トークのレポート
その③『症例作成を通しての学び』
学習発表会に向けて症例作成を行うのですが、Jokanスクールの症例作成は、通常の治療経過や治療結果だけを発表するものではありません。患者さんの病態把握や経過だけでなく、患者さんとの関わり方・担当歯科医師との連携を振り返りながら進めていきます。それにより、自分自身の仕事に対する考え方、取り組み方をしっかり見つめる機会となっています。患者さんの気持ちに寄り添うことや歯科医師とのコミュニケーション、その中で生じた葛藤や、どのように働きかけをしたのかなど、関わる人達の想いに焦点をあてながら作成するうちに、心を通わせることを学んで行くのです。私も、担当歯科医師や患者さんとの関わりを通し、様々な葛藤を抱えながら症例作成をしていました。当時のレポートにも、解決策が見つからないまま時だけが過ぎてしまったことが書かれています。
葛藤しながら取り組んだ症例作成
この時に上間校長から教えて頂いた、率直に意見を伝えた時に使う「僭越なことを申し上げて済みませんでした」という言葉は、現在でも大事な場面で使う言葉となっています。
このように、Jokanスクールの研修の中に散りばめられている人間性を育む指導が、受講生ひとりひとりの心を成長させるのです。