皆さま、こんにちは。講師の中村和恵です。
歯科医院には感染対策を講じることが義務付けられていますが、どのようにしていますか。
Jokanスクールの年間カリキュラムの中に『感染対策』があります。今回は歯科医院における感染対策についてお話したいと思います。
感染対策を考えるときに、まず大切なことは“患者や自分を感染から守る”ということです。
自分自身を守れない人は患者さんを守ることもできないのです。
感染対策の基本となるのは以下の内容です。
標準予防策とは「すべての人の血液、すべての体液、汗以外の分泌物、排泄物、損傷のある皮膚、および粘膜には感染性があると考えて取り扱う」という考え方を基盤に、全ての人に感染予防策を実施します。
歯科医療の特徴
①抜歯や歯周治療など観血処置が多い・・・血液と接触する機会が多い
②血液や唾液が飛散する・・・切削器具などの使用により、エアロゾルが発生する
③鋭利な器具、局所麻酔の注射針を使う・・・針刺しや切創が起こる可能性がある
このように血液や血液の混入した唾液に接触したり、飛沫を浴びる危険性が高い歯科医療。
感染は、使用した器材や手指を介して伝播します。
その対策は、感染物を伝播させないために感染経路を遮断することが重要です。
感染経路の遮断で最も基本的なことは手指衛生です。
今年度は、一歩踏み込んで手指衛生を行う『手洗い設備』について講義をしました。
【手洗い設備のチェックポイント】
日本の歯科医院の現状は、診療室のスペースの問題からシンクの数が少なく、小さなシンクが設置されているケースが多いと感じます。
水回りの管理も重要です
濡れているところには・・・
微生物が増殖する・カビが生える・臭いが発生します。
【スウェーデンの手洗い設備】
このように、床から離れた手洗いシンク、床に置かないゴミ入れは、床の清掃もしやすいですね。水滴やホコリが溜らない工夫で衛生管理が向上し、シンプルな清掃が可能になります。
次回は診療室を綺麗に保つ工夫についてお話ししたいと思います。